以前からPCの音質を向上するために手に入れたいサウンドカードがあったのですが、ついに購入に至りました。
今回はCreativeのハイレゾ対応サウンドカード、「Sound Blaster Z」をご紹介いたします。
Creativeとは
jp.creative.com – PCエンターテイメント製品のリーディングカンパニー
サウンドカードのご紹介の前にCreativeについて触れておきます。
Creative(クリエイティブテクノロジー)はシンガポールに本社を置くマルチメディア機器製造企業で、日本ではクリエイティブメディア株式会社という名称で営業を行っています。PCサウンドカードの老舗大手で知られており、PC用のスピーカーなども販売しています。
Sound Blaster Z
内容物
内容物は本体、マイク、インストールCD、取り扱い説明書となります。
見た目
ワインレッドのような感じの色です。透明部分から見える回路がかっこいいです。
差し込み側です。「Sound Blaster Z」はPCI Express端子に差し込みます。
端子側です。左からアナログライン入力/マイク入力共用端子、ヘッドホン出力端子、アナログライン出力端子(フロント)、アナログライン出力端子(リア)、アナログライン出力端子(サブウーファー/センター)、光デジタル出力端子、光デジタル入力端子となります。
スペックなど
外形寸法 | 約125mm x 111mm(スロット部含む) |
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重量 | 約208g |
インターフェイス | PCI Express x1 |
アナログ入力/マイク入力 | 24bit / 96kHz / ステレオ |
アナログ出力 | 24bit / 192kHz / ステレオまたは24bit / 96kHz / 5.1ch |
デジタル入力 | 光1系統(角型)16/24bit・44.1/48/96kHz |
デジタル出力 | 光1系統(角型)16/24bit・44.1/48/96kHzAC-3 / DTSパススルー出力可、Dolby Digital Live / DTS Connect出力可 |
ヘッドホン出力 | 24bit / 96kHz / ステレオ |
カード上の端子 |
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S/N比 |
20kHzローパスフィルター、A-Weighted@24bit/96kHz
フロントライン出力:116dB |
周波数特性 (@192kHzステレオ) |
フロントライン出力:10Hz~90kHz |
THD(高調波歪率) | 0.0009% |
対応API | EAX 1.0 / 2.0 / EAX ADVANCED HD / 4.0 / 5.0、Open AL |
OS | Microsoft® Windows® 10(32-bit、または64-bit)、Windows 8(32-bit、または64-bit)、Windows 7(32-bit、または64-bit) |
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プロセッサー | Intel® Core™ 2 Duo、または同等のAMD®プロセッサー2.2GHz以上。Intel、またはAMDチップセット。 |
メモリー | 1GB以上のシステムメモリー |
スロット | 使用可能なPCI Expressスロット |
ストレージ | 600MB以上の空き容量を持つハードディスクドライブ |
ドライブ | ソフトウェアのインストール用にCD-ROM/DVD-ROMドライブ |
利用環境 | ヘッドホンまたはアクティブスピーカーシステム(別売り)がある。インターネットに接続できるパソコン環境(ソフトウェアアップデートやオンラインユーザー登録用やサポートを受ける際に必要)。 |
サウンドカード | Sound Blaster Z |
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マイク | Sound Blaster Beamformingマイクロフォン |
ガイド | クイックスタートガイド |
インストールCD |
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SBX Pro Studio | PCでの音楽鑑賞や映画鑑賞、ゲームにさらなる迫力と臨場感を。ヘッドホンやステレオスピーカーでも、バーチャルにサラウンドスピーカーを作り出すことで360度の3Dオーディオの世界観をリアルに実現。 |
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CrystalVoice | 周囲の騒音を低減するCrystalVoice Noise Reductionやマイクの集音範囲外の音を遮断するCrystalVoice Focus、マイクから一定の距離であれば音声レベルを自動的に調整するCrystalVoice Smart Volume、ロボットボイスなどチャットの音声を変化させるCrystalVoice FXなど5つの機能で、フレンド同士のボイスチャットを快適かつ楽しくする。 |
SCOUT MODE | 「足音」などゲーム内の環境音をハイライトすることで、ゲーム内のかすかな動きをサウンドで感じ取ることが可能。 |
オーディオ リアリズム | カード上に高品質なDAコンバータを搭載、カード実測値でS/N比116dBという低ノイズなオーディオ環境を構築。 |
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先進的なホームエンターテインメントオーディオ | アナログ入力端子および最大5.1チャンネルに対応したアナログ出力端子には音質劣化の少ない金メッキ端子を採用。 |
Sound Blaster Beamformingマイクロフォン | CrystalVoice Focus機能と組み合わせることで、マイクの集音範囲をコントロール可能。範囲外の音を遮断しますので、自分自身が発する音声を確実にピックアップしてチャット相手に伝達。 |
EMIシールド | デジタルノイズから回路上のアナログ経路を保護するEMIシールドを採用。 |
PV
PCに取り付け
「Sound Blaster Z」をPCに取り付けます。PCはパソコン工房で購入した「Lev-R017-i7-XM」で、ケースはミドルタワーになります。
配線の下になっているPCI_E5と記載されている端子がPCI Expressとなります。この端子に「Sound Blaster Z」を差し込みます。かなり埃をかぶっているのでダスターで埃を飛ばしました。
「Sound Blaster Z」を取り付けることができました。実は取り付けるのに1時間ほどかかり、PCケースのブラケットとサウンドカードがなかなかかみ合わず、かなり苦戦しました。ミドルケースなので、取り付けられないことはないはずなのですが、もしやという思いが胸をよぎり相当あせりました。調べたところ、スリムタイプ型のPCだとブラケットの幅が足りず、取り付けられないようです。写真では線が挟まっているように見えますが、見た目よりゆったりしているのでストレスは掛かっていません。
Sound Blaster Zをネジでしめて完了です。
ネジはサウンドカードには付属していませんが、予備を大量に持っているので問題ありませんでした。逆を言うとネジを一本用意しておく必要があります。
「Sound Blaster Z」は電源が入ると赤く発光します。側面のカバーを閉じた時に気付いたので、カバー付きでの写真となっています。
Windows10用ドライバとソフトウェア
ダウンロード
「Sound Blaster Z」を取り付けたあと、ドライバを入れます。私はWindowsを使用しており、OSは10なので、下記から「Sound Blaster Z」を選択してWindows10用のドライバをPCにダウンロードしました。
規約が表示されるので、「同意する」をクリックしてダウンロードします。
インストール
ダウンロードしたexeファイルを起動して、ドライバとソフトウェアをインストールします。
上記でドライバとソフトウェアのインストールが完了します。
ユーザー情報を登録
PCを再起動するとユーザー情報の登録を求められるので、登録したい場合はウィザードに従い情報を入力してきます。
上記でユーザーの登録が完了します。
Sound Blaster Z シリーズ コントロールパネル
インストールしたソフトウェアの「Sound Blaster Z シリーズ コントロールパネル」では、スピーカーやヘッドホン、ミキサーやイコライザーなど、様々な再生環境を設定することができます。
SBX Pro Studio
PCでの音楽鑑賞や映画鑑賞、ゲームでの迫力と臨場感を高める機能があります。ヘッドホンやステレオスピーカーでも調整次第で疑似的にサラウンド環境を実現することができます。
CRYSTALVOICE
マイクの音量調整やボイスチェンジャーなどを行うことができます。
SCOUT MODE
キャラクターの「足音」など、ゲーム内の環境音をハイライトすることでゲーム内のかすかな動きをサウンドで感じ取ることができるようになります。また、SCOUT MODEはキーボードの任意のキーに割り当てることでき、ゲーム内であっても気軽にオンとオフの切り替えをすることができます。
スピーカー/ヘッドフォン
スピーカー/ヘッドフォンのサラウンド環境を変更することができます。また、ヘッドホンをサウンドカードにつなげたまま、音声出力をスピーカー/ヘッドフォンの切り替えを瞬時に行えます。
シネマティック
ドルビーデジタルやDts connectなどに音質を変えることができます。
ミキサー
音響信号(マイク/ライン入力などの素材)のレベルを調整することができます。
イコライザー
細かく楽曲の音質を変えることによって、自分好みの音を出力させることができます。
高度な機能
デジタル出力を使ったステレオミックスの再生ができます。
通常の音楽とPCゲームで聴いてみる
準備が出来たので、設定を「スピーカー/ヘッドフォン」の「ステレオ ダイレクトモード」にして早速聴いてみました。ゲーム時はSCOUT MODEをオンにしています。
出力機器はスピーカーがCreativeのInspire T10、イヤホンがオーディオテクニカのATH-CKM77を使用しています。
スピーカーで聴いた感想
音がとてもクリアでマイルドな感じがしました。ノイズが除去されて出力されているのがわかります。
イヤホンで聴いた感想
スピーカーで感じた音のクリアとマイルドさがより顕著に感じられました。ノイズ軽減の恩恵はイヤホンの方が大きいと思います。
ゲーム時はイヤホンで聴いた方がいろいろと効果はあるようで、SCOUT MODEをオンにした場合、キャラクターの足音など、Effect関連の音がよりクリアになり音の出所がわかるほどです。
ハイレゾ音源で聴いてみる
ハイレゾ対応ということなので、オーディオテクニカで無料で配信されている「I GOT CRUSH ON YOU AT DEMO」を聴いてみました。メディアプレーヤーは「MPC-BE」、「iTuens」を使用しています。
スピーカーで聴いた感想
音のクリアがノーマルの曲とはまるで違いました。ハイレゾ対応のスピーカーで聴いているわけではないですが、サウンドカードを使用する以前とは全く違い、とてもきれいな音でした。
イヤホンで聴いた感想
通常の音楽、PCゲームで聴いたどの試し方よりもクリアな音でした。臨場感がケタ違いです。
なぜサウンドカードを利用するのか
サウンドカードってそんなにいいの?と思われるかもしれませんが、条件さえ満たすことができれば、サウンドカードの利用は音質を確実に向上させることができます。
通常、PCの音声はオンボードによって処理されるのですが、共用のチップセットでオーディオ信号を発生するため、他の回路からの干渉を受けてしまい、ノイズがのったまま出力されます。
サウンドカードはノイズ対策を行っていたり、自身で信号を生成する回路や出力端子を備えているので、一般的にオンボードより音質は良くなります。
今回試した範囲も含めて、下記にサウンドカードを利用する際のメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
- 音がクリアになり、よく聴こえるようになる。
- ゲームのオーディオ設定の選択肢が増える。
- 音の数(同時に発生する音)や表現できる種類が増える。
- スピーカーが2つの場合(ヘッドホンやイヤホン)でも、設定しだいで色々な方向から音が聞こえてくるように感じるので、臨場感が高まる。
- ゲームプレイ時、音の出所が分かりやすくなる。
- 音声出力の処理をサウンドカードに任せるのでCPUの負担が減る。
デメリット
- PCとの相性が悪いと動作が安定しない。
- PCスロットの空きが1つ減る。
- 性能を十分に発揮させるにはある程度スピーカーやイヤホン、ヘッドホンの質が求められる。
サウンドカードを生かせる環境があれば、利用してもよいと思います。
まとめ
- 音がとてもクリア。
- ソフトの設定しだいで自分好みの音にできる。
- ゲームプレイ時はイヤホンまたはヘッドホンを付けると素晴らしい音の環境を得られる。
元の音楽のノイズが多い場合、よりサウンドカードの恩恵が得られると感じました。何時も聴いている音楽で試してみるとわかりやすいと思います。
ソフトの機能になりますが、イヤホンをサウンドカードにつけたまま、ソフト側で音声出力をスピーカー/イヤホンと切り替えることが出来たのがかなり便利でした。
正直ここまで劇的に音質が向上するものとは思わず、初めに通常の音楽をスピーカーで聴いた時に衝撃を受けました。この音楽はこんな音も出していたんだ、と思わされます。スピーカーをCreative製のものにしたとき、もしくはそれ以上の驚きがありました。なぜもっと早く購入しなかったのかと後悔したくらいです。
「Sound Blaster Z」はゲーム向きのサウンドカードですが、通常の音楽を聴く場合でもいろいろ恩恵があります。価格は比較的安価な部類に入るので、初めてサウンドカードを導入するといった方にもおすすめです。気になった方は購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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